「よーい!」の合図で、自分の意気込みをポーズで決めるこども!早く走るために、と新しい靴を履いてきてアピールしてくれるこども!毎日、園庭を走って自主練?するこども!手を振りながらただ走ることが楽しい様子を見せてくれるこども!気合が入りすぎて、顔が力んでいるこども!腕を回しながら駆け抜けていくこども!…等々。日々の中でもこどもたちそれぞれの姿が輝いていました。
そんなこどもたちの育ちのひとつ、さくら組(4歳児)の男の子Yくんのエピソードです。
たんぽぽ組の時は、一直線に一生懸命走れたことが楽しかったのですが、さくら組になるとどうすれば速く走れるだろうか?など考え、おともだちとカーブのあるコースをかけっこで競い合います。意識しているわけではないけれど、自分の身体のコントロールしてみようと経験しながら体得していく時代になっていきます。だから、速く走る方法ないか?など、自分で考えて試してみたりします。Yくんは遠心力のかかるカーブをいかに走るのか?を考えていたようです。そしてリハーサルの時に手を回転させながら走り始めました。なるほど!そう考えたか、でも手は普通の方が速く走れるだけどな~、と見ている私は思いました。
実際に腕を回すと遠心力が抑えられ、カーブを膨らまずに回れるので、Yくんの姿を見て真似するお友だちもいました。(この姿をそのまま見せてくれたお友だちも素敵でした。)私たちも「速く走る!」という目標のために、まずこどもが自分で考え始めたことを大切にしてあげよう。今、自分が納得している方法を繰り返すことから、他の人の走っている姿に目を向けたり、『かがやけ❕❕ひかりのこどもたち』が終わってから、余韻を楽しむ中で伝えていってあげよう。体育あそびの時に走り方を教えてもらえるといいな~そしたら、また自分の身体を動かす喜びが大きくなっていくんだろうと考えました。
けれど、リハーサル後からYくんの走りは普通に腕を振るスタイルになっていました。あ~やっぱり走りにくかったのかな?もう自分で気づいたのかな?と思っていました。ところが、そこにはこどもたち同士の育ち合いの姿があったのです。Yくんの姿を応援で見ていたゆり組(5歳児)のDくんが、Yくんに走り方のアドバイス(腕を振って走った方がいいこと、カーブでの足の動かし方等)を終わってから教えてくれていたのです。
Dくんは、小さなお友だちに運動などの時には一目置かれているあこがれの存在です。そんなDくんがYくんの姿を見て、自然に声をかけてくれるやり取りがあったのです。育ち合うっていうのは、こういうことだな~そして、やはり行事は当日だけではない、事前事後にこどもたちの物語が展開されてドラマがうまれるんだな~と思いました。10月はどんな物語の展開が膨らんでいくのでしょう。楽しみです。
『かがやけ!!ひかりのこどもたち』で、こどもたちのありのままの姿を一緒に応援してくださり、ありがとうございました。
園長 多胡淳子