9月も終わろうとしている夕方のことです。職員室にいると…園庭から、今から何かが始まるぞ~♪と、思わされる声が聞こえてきました。その声に誘われて、園庭に出てみると、こひつじクラス(0歳~2歳)の子どもたちが先生たちと一緒に、音楽に合わせて体を動かし表現あそびを楽しんでいました。そして、そのかわいい姿のすぐ傍には、椅子に座って見守るくじらクラス(3歳~5歳)の子どもたちが何人かいました。
こひつじクラスの子どもたちは、部屋では自分の体を思い切り動かして踊っているダンスも、多くの人の視線が注がれたことが照れくさい様子で、ほとんどの子どもたちが立ちすくんでいました。踊っているのは、子どもたちの周りにいた先生たちだけでした。その様子に思わず笑いと愛おしさを感じて見ていました。と同時に、小さなお友だちの姿を見守っているくじらクラスの後ろ姿が、最高でした。何が最高か!といえば、うしろ姿からいろいろなワクワク感が溢れ出ていたからです。「何が始まるの?」という期待感。「みんなかわいいね~♡」というあたたかさ。「あ!〇〇くんだ。」とお友だちの兄弟を発見した喜び。「一生懸命やっているね~♪」という応援する思い等々・・・お兄さん、お姉さんとしてやさしく見守る声が背中から聞こえてくるようでした。園庭全体に一体感だけでなく、やさしさとあたたかさに包まれているのを感じました。
『後ろ姿』っていいものですね。8月のパパ講座の講師の先生が、「家族のうしろ姿を写真に撮るのが好きです。」と言われ、ステキなご家族の後ろ姿写真を見せてくださいました。それを聞いたとき「すごく、よくわかる!」というか、「そうだった!」と思いだしました。随分と前ですが、子どもたちの後ろ姿に惹かれたことがあり、うしろ姿の写真を私もよく撮って記録したことがありました。
どの後ろ姿にも、それぞれの心躍る物語があるものです。一生懸命にありの行進を観察して、なにやら喋っているうしろ姿やうたを歌って空を眺めているうしろ姿や友だちとけんかして涙を流して気持ちを整理しているうしろ姿等々…『後ろ姿』だからこそ、よりそれぞれの『今』がイキイキと輝いて見えることがあることを思い出しました。そのことを思い出してから、何かと子どもたちの遊んでいる時の後ろ姿、先生たちが子どもたちとかかわっている時の後ろ姿、いろんな後ろ姿を見つけてあらためて子どもの育ちを楽しんでいます。
10月にはいると「運動会」やPTAと豊中教会共催の「子ども祭・愛光バザー」、芋ほり遠足などの行事があります。その中で、過ごす子どもたちを見守る視点を少し変えて、「後ろ姿」という視点から子どもたちの育ちの姿を追いかけてみるのも面白いかもしれませんね。
園長 多胡淳子